諏訪の神様に導かれて3

夜に降り出した雪は、朝になるとやんでいた。
諏訪湖に御神渡り(おみわたり)ができている、というので、みんなで見に行くことになった。
諏訪湖が凍って、割れた筋ができて、またくっついて、氷が盛り上がって一本の道ができる現象を言うらしい。古くから神様の通り道と言われているので、御神渡り、と呼ばれているそうだ。
そんなにしょっちゅう見られるものではないらしく、前回見られたのは5年前。今年も、まだ発生していなかったものが、数日前に5年ぶりに出現したということで、にわかに地元の人も騒いでいる様子だった。
湖岸に近付いてみると、まず、諏訪湖の景色が素晴らしい。
町の中にこんなにぽっかりと、大空間が開けていて、空が全部見えるなんて、なんて素晴らしい景色なんだ。 そりゃ、反対側に行こうとしても、毎回湖を右か左から回らなければいけないから、そういう不便はあるんだろうけど、それでも、この景色はすごいね。
そして、その湖が全部凍っている。真っ白な平面になっている。それが新鮮だった。
湖岸を進んでいくと、駐車場があり、そこから湖岸に出ると、湖の中に一筋、氷が盛り上がっているのが見えた。
朝からすでに、たくさんの人が見物に来ていた。
リビセンのメンバーと一緒に、「気持ちいいね」なんて言いながら、自然の不思議をしばし味わった。
御神渡りが出現したという情報は全国ニュースにもなり、2割しか埋まっていなかった旅館が、突然8割の稼働率に跳ね上がったそうだ。そんなに人を動かす力があるのなら、皆で毎年湖を凍らせなくちゃいけないね、なんて話していた。
市外からやってきた多くの人は、これを見るために来られていたけど、僕の場合、そもそも東京出張していたら、突然東野さんと再会したところから始まり、そのままふらっと諏訪に立ち寄っただけだった。
いろんな偶然が重なってここにやって来られた幸運を思いつつ、「これは諏訪の神様に導かれたな」と思っていたら、「近藤さんは神ですか?」なんて言われて、その発想があったか、と思った。
まあなんにしても、5年ぶりに現れた自然の奇跡を目の当たりにできたし、諏訪で起こっているこれもまた奇跡的な連鎖も実感できた数日だった。
神様が誰かなんて分からないけれど、自然も人間も、いろんなハプニングを起こしながら、未来に向かって進んでいるね。

2018.2.15